男性ホルモンについて、男性ホルモンの治療はいいとか、悪いとかという判断だけ話をする人がいます。
いい悪いという判断ではなく、必要があるのないのかという基準で考えることがよいです。
きちんと健康チェックもしてくいくのであれば安心で、男性ホルモンは非常に効果的な治療です。
男性ホルモン注射(テストステロン注射)の治療
男性ホルモン、テストステロン、アンドロゲン、ステロイドなど、いろいろな呼び名で呼ばれている注射治療について説明します。
治療回数と治療期間(病気の場合)
男性ホルモンが少なくて男性が男性らしくいられない状態の人に、男性ホルモンは治療としておこなわれています。
- リビドー(性欲)と勃起能の質と頻度、夜間睡眠時勃起の減退
- 知的活動、認知力、見当識の低下、疲労感、抑うつ、短気などに伴う気分変調
- 睡眠障害
- 筋容量と筋力低下による除脂肪体重の減少
- 内臓脂肪の増加
- 体毛と皮膚の変化
- 骨減少症と骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折のリスク増加
このような人は「男性更年期」と言われており、男性ホルモンが少ないことが原因の場合があります。
注射を2~3 週毎に1回おこなうか、3~4 週毎に2回分を筋肉注射するというようなペースです。
注射をして4~7日目頃に、血中テストステロンが最高値になると言われます。
治療によりどこまで数値が改善したのかを調べるために、投与4~7日目頃に一度採血し、血中遊離型テストステロン値を測定することが推奨されています。
治療開始 3 カ月後に治療の効果を評価します。
効果が認められれば副作用に注意し、治療を継続します。
治療回数と治療期間
筋力アップ目的の人は、注射跡が見えないようにパンツに隠れるお尻に打つことがあるようです。
ドクター小池クリニックでは、肩の筋肉(三角筋)を標準的に打ちますが、場合によって場所を変えることは可能です。

男性ホルモンが多いとされる20代男性より上回るくらいに、血中濃度を上げる人もいます。
筋肉に使う薬やサプリ、注射に、一月あたり数万円から数十万円使う人も世の中にいます。
内服の男性ホルモンでは、肝臓や腎臓に問題があるでしょう。
命をかけて何かを目指しているでしょうが、なるべく安全な方法を選んでほしいです。
ドクター小池クリニックでも、控えめに治療をうける方、本気で治療をする方といろいろいますが、状態をみながら適宜増やしていく方法を選びます。
回数や期間は、目的や反応の出方によってちがいます。
「男性更年期という病気を正常範囲の男性ホルモンに戻そう」というやり方が、最初の開始レベルです。
開始レベルを超えて治療を希望するならば、要相談になってきます。
女性選手なのに男性ホルモンが男並み
国際陸上競技連盟は、2018年の4月27日、リオデジャネイロ五輪の女子800メートルで金メダルを獲得したキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)という選手がきっかけになって、男性ホルモンの上限値が設定されてそうです。
生まれつき男性ホルモンが多いために、競技で勝ってしまう女性もいるらしいです。
男性は男性ホルモンが減ると更年期
医療でも男性ホルモン治療が行われています。
一般的な対象は、中高年の男性で男性ホルモンの値が基準値よりも低くて、疲れやすい、やる気がでない、精力減退などの症状がある人です。
男性更年期といわれる症状のある人には男性ホルモン治療は非常に有効です。
泌尿器科の先生が中心になって提唱している治療なので、 一般の男性で知っている方は多くありません。
しかし筋肉に関心の強い人たちは、男性ホルモン治療は知識として常識になっています。
クリニックのスポーツ外来、筋肉外来
筋肉外来というネット広告をだして、 筋肉に関心の強い男性を対象にしているクリニックがあります。
ドクター小池クリニックの患者さんの中でも、 ウエイトトレーニングをしていても、筋肉がなかなかつかないという人がいます。
同年代よりはがっちりした体型をしているけれど、実際男性ホルモンを測ってみたら、基準値よりも低いことがあります。
男性ホルモンの値が上がれば、トレーニング効果も変わってきます。
男性ホルモンを使うと
男性ホルモンの効果はすごいものがあります。
特に筋トレをしていなくても、体に筋肉がつきます。
トレーニングをしている人だと、限界を超えることができます。
女性のアスリートにおいても、男性ホルモンがパフォーマンスに影響します。
だから、セメンヤ選手をきっかけに規制がされました。
それだけ男性ホルモンの値がパフォーマンスに影響を及ぼすことは間違いないと考えられます。
男性ホルモン注射で若さとパフォーマンスを取り戻す
クリニックには、若さやパフォーマンスを保つための治療はいくつもあります。
男性ホルモンもその一つとして有効です。しかし男性ホルモンの治療を推奨をしているわけではありません。
男性ホルモンの低下によって、 体の疲れ、体型の変化、パフォーマンスの低下があるのは事実です。
一度は、男性ホルモンの値を確かめることをおすすめします。
男性ホルモンの値を正確に測らないといけない
検査の基準値と比べて、自分の男性ホルモンが高い低いという目安をつけるのも大事です。
若かったときに比べて、今がどれだけ下がったかのということ大事です。
検査の基準値に入っていたとしても、以前が相当高い数値であった場合、ピークの値と今の値でその落差が大きくなります。
その場合も、やはり更年期症状を感じる方もいます。
基準値よりも低くても、ピークの値が元々があまり高くなかった場合は、男性更年期の症状を感じない方もいます。
男性ホルモン注射をするなら健康の専門医に
どこで検査を受けてもいいとは思いますが、 過去から現在までをずっと一元管理して、指導してくれる医者を見つけることが望ましいです。
大学病院にずっと通っていると安心している人もいますが、すこし注意が必要です。
大学病院は教育、研究、臨床の3つをおこないます。そのため医師は関連病院に配置換えされます。
カルテは残っていても、一人の医師がずっと見続けるということはあまりないです。
家の近くの内科医をかかりつけ医にしてもよいのですが、あくまで病気を診るだけで、本当に必要な生活指導やなどは充実していません。
自分や家族のために、顧問ドクターという医師を用意している人もいます。
何か悩みがあったとき、どこの病院に行った方がいいのか、どういう検査を受けた方がいいのか、いろいろと指示してくれます。
同じ人を長年見てきたからいまの状況もくわしく把握できて、総合的に判断した上で、指示を出してくれます。
当クリニックでは競技者へのホルモン治療は行いません
ドーピングのようなことをやってくれると勘違いして問い合わせがありますが、私の所ではお断りしています。
あくまで健康増進、昔のパフォーマンスを取り戻すことが目的です。
老いを感じている人を、男性ホルモンで治療をおこないます。
まとめ
男性で、若い時と比べて以前のような元気がなくなったと自覚している方は、一度は自分の男性ホルモンの値を確かめた方がいいです。
相対的に高いのか、あるいは低いのかという、平均との比較も判断基準です。
また、若かった前の自分と比べる必要もあります。
今が若くて元気であっても、時系列で数値を比較できるように、今のうちに男性ホルモンの数値を測ることは無駄にはなりません。
もし男性ホルモンを測るなら、このブログのような説明してくれる病院を選びましょう。