
天然アミノ酸「5-ALA」点滴、徹底解説|ミトコンドリア活性・ヘム合成・臨床応用まで
5-ALAとは?体内で生まれ、生命を支えるアミノ酸
5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、私たちの体内や動植物に存在する天然のアミノ酸です。
特徴は、「タンパク質の構成成分ではない」という点。
5-ALAは主にミトコンドリアの中で合成され、そこから「ヘム(Heme)」という非常に重要な物質へと変換されていきます。
当院ではこの「5-ALA → ヘム → ミトコンドリア活性化」という構造を、
再生医療や疲労回復、ニューロアンチエイジングの根幹と捉えています。
5-ALAはどう作られる?工業的生産と薬剤としての活用
臨床やサプリメントで使用される5-ALAは、微生物発酵によって大量生産されています。
医薬品グレードでは「5-ALAリン酸塩」や「5-ALA塩酸塩」などがあり、
例えばアラベル®などは光線力学診断用剤として活用されています。
5-ALAリン酸塩
MW 131.1 + 98 = 229.1 g/mol
5-ALAリン酸塩が50 mgの5-ALA量は28.6 mg
提供する試薬は5-ALAリン酸塩を0.0000 mgで溶解し5-ALAが200 mgになるように作製している。
5-ALA塩酸塩
こちらは医薬品として活用されています。
アラベル内容剤 1.5g
(※光線力学診断用剤)
5-ALAとヘム合成|ミトコンドリアのエネルギー源を支える
5-ALAの真価は、ヘムに変換されてはじめて発揮されます。
ヘムは以下のような生命活動の要に関与:
- 酸素運搬(ヘモグロビン)
- エネルギー産生(ミトコンドリア呼吸鎖)
- 解毒作用(シトクロムP450)
- 抗酸化作用(ヘムオキシゲナーゼを介したビリルビン生成)
つまり、5-ALA → ヘム → 全身の代謝・免疫・神経機能へという流れが成り立ちます。
加齢で減る5-ALA、生きる力も減る?
研究によれば、5-ALAの体内産生量は17歳をピークに低下していきます。
原因は「5-ALA合成酵素(ALAS)」の発現低下や遺伝子変異の蓄積。
この減少により:
- ミトコンドリア機能の低下
- エネルギー産生の低下
- 細胞修復や解毒能力の低下
- 老化の促進
といった問題が生じやすくなります。
根拠資料
- Safety and Mode of Action of Diabetes Medications in comparison with 5-Aminolevulinic Acid (5-ALA)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31781665/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31781665/#&gid=article-figures&pid=figure-4-uid-3
ラット肝臓・心臓で 0 → 12 か月の 5-ALA生成量(nmol ALA formed / h g protein)が有意に低下している - 加齢と血中 δ‑アミノレブリン酸脱水酵素活性(千葉百子・菊池正一、1976)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/joh1959/18/4/18_4_391/_article/-char/ja/
ヒトでの5-ALA生成力(ALA-D活性)が加齢とともに顕著に低下する
5-ALA点滴に期待される効果(当院導入メニュー)
当院で行っている5-ALA点滴療法では、以下のような効果を期待できます:
- ミトコンドリア活性化 → ATP産生増加
- 抗酸化作用 → 老化防止・細胞修復
- 免疫バランス調整 → アレルギー予防、風邪予防
- 神経安定作用 → 睡眠改善、気分安定、疲労軽減
- 肝機能強化 → 解毒作用
実際にどんな方に効果が?
- トレーニングの質を上げたい
- 疲れが取れない
- 感染症を予防したい
- イライラや落ち込みが続く
- 睡眠が浅い・中途覚醒が多い
- 若返りたい(エイジングケア)
など、美容・再生・神経・免疫を横断する方々に適応しています。
患者様の声(一部抜粋)
- 「NMN点滴では感じなかったスッキリ感”を実感」
- 「頭がクリアに。視界まで明るくなる感覚」
- 「飛蚊症のような症状が改善」
- 「夜ぐっすり眠れて、日中の集中力も違う」
- 「認知症の家族が5-ALA点滴後に明らかに元気に」
点滴の具体的手順と注意点
- 濃度:「5-ALA」50~200mgを100mlの生理食塩水に溶解
- 所要時間:15~30分程度で投与
- 投与中に違和感があれば中断
- 妊娠中・授乳中はNG、鉄欠乏症やポルフィリン症、光線過敏症は注意
他治療との併用による相乗効果(こいけ式設計)
NMNとの併用
- NMN:NAD+産生 → エネルギー効率向上
- 5-ALA:ヘム供給 → 呼吸鎖の補強
⇒ 細胞エネルギー代謝の二重強化
抗酸化物質(ビタミンC・ケルセチン・EGCGなど)
- 活性酸素除去、HO-1誘導 → 細胞保護効果の増強
- 5-ALAのROS対策をサポート
⇒ エネルギーを生み出す過程の活性酸素を抑制
学術的エビデンス(引用論文抜粋)
- Shimura et al. (2019, Scientific Reports)
→ ヘム合成とミトコンドリア機能改善 - Al-Saber et al. (2016, J Diabetes Res)
→ 5-ALAによる糖尿病予防 - Fujino et al. (2016, Int. Immunopharm.)
→ 抗炎症・免疫調整作用 - Nara et al. (2023, PLoS ONE)
→ ACE2(コロナウイルス受容体)の抑制 - Higashikawa et al. (2020)
→ 精神症状・疲労・孤独感の改善
こいけ式コメント|5-ALAは「整える医療の中核」
美容・再生医療の現場では、「効果を出す治療」よりも先に、
効く身体を整える医療”が求められています。
5-ALAはそのための細胞レベルの調律剤”です。
- 筋肉だけでなく、神経のつながりを守る
- 自律神経の乱れから立て直す
- 脳・腸・肝のミトコンドリアから、全身の代謝を底上げする
これが、当院が掲げるニューロアンチエイジングにおける、5-ALAの立ち位置です。
まとめ
5-ALAは単なるアミノ酸ではなく、
生きる力”を底から支える再起動スイッチ。
美容でも健康でも、不調でも予防でも、
「もう一度、自分を整え直したい」と思ったときに、
その第一歩となる可能性を秘めています。
5-ALAの可能性を示す科学的エビデンス集
小池クリニック監修:5-ALAの機能性と臨床応用
認知機能・精神症状の改善
- Higashikawa et al., 2020
投与条件:5-ALA 30mg+クエン酸第一鉄ナトリウム34.5mg/日(8週間)
改善効果:疲労感、怒り、気分の落ち込み
出典:Nature Scientific Reports - Aquino et al., 2018
投与条件:5-ALA 50mg+クエン酸第一鉄ナトリウム57.4mg/日(12週間)
改善効果:孤独感の大幅な軽減、気分の落ち込みやイライラの緩和
出典:PMC5976501
ミトコンドリア機能・ヘム合成との関係
- Shimura et al., 2019
線維芽細胞に対する5-ALA+鉄投与 → ミトコンドリア疾患の線維芽細胞における改善効果
出典:Scientific Reports, 9(1): 10549 - Peoc’h et al., 2019
ヘム合成酵素の遺伝的多様性と発現に関する研究。ALAの代謝が鍵であることを示唆
出典:Molecular Genetics and Metabolism
糖尿病予防・血糖改善作用
- Al-Saber et al., 2016
投与条件:5-ALA 200mg+クエン酸第一鉄ナトリウム57.4mg/日(12週間)
効果:血糖値低下、安全性確認
出典:PMC5055962 - Rodriguez et al., 2012
投与条件:5-ALA 50mg(鉄含有)/日(12週間)
効果:血糖値の低下、安全性の確認
出典:PMC5439781 - Higashikawa et al., 2013
投与条件:5-ALA 15mg+クエン酸第一鉄ナトリウム1.8mg(12週間)
効果:血糖値低下、糖尿病予防の可能性
出典:Nutrition, ScienceDirect
免疫調整・抗炎症作用
- Fujino et al., 2016
内容:5-ALAが免疫反応とアロ免疫反応を調整し、炎症を抑制する
出典:International Immunopharmacology, 37: 71-78
COVID-19ウイルスの増殖抑制
- Nara et al., 2023
内容:5-ALAが新型コロナウイルスの宿主受容体ACE2の発現を抑制することで、感染阻害に寄与
出典:PLoS ONE, 18(2): e0281399
血管拡張・循環器への作用
- Herman et al., 1998
内容:一酸化窒素(NO) / cGMP系を介した血管拡張作用があり、高血圧や末梢循環不全への応用可能性
出典:PubMed: 9639916
小池式コメント
5-ALAは単なる「アミノ酸の一種」ではありません。
脳、神経、ミトコンドリア、そして精神や糖代謝といった、私たちの人生の質に直結する領域すべてに、臨床的な裏付けが出始めています。
特に「孤独感の軽減」「精神的な回復」「血糖値の正常化」「感染予防」「筋力や認知機能の維持」など、神経・精神と身体の統合的な回復=ニューロ・アンチエイジングの実現において、非常に注目すべき物質です。
引用文献一覧
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