なぜ人は「考えずに選ばされてしまう」のか|それは流行でも洗脳でもなく、脳のコンディション低下である

私たちは日々、こうした判断を繰り返しています。
- みんなが使っているから
- よく目にするから
- 有名な人が言っているから
- 検索すると上に出てくるから
これらは一見、合理的な判断に見えます。しかし実際には、自分で考えた判断ではありません。
重要なのは、「それが正しいか間違っているか」ではなく、なぜ、自分で考えずにそれを選んでしまったのかという脳の状態です。
人は「騙されている」のではない脳が判断を省略しているだけである
現代人の多くは、自分の判断力が落ちているとは思っていません。
むしろ、「自分は普通」「自分は流されていない」と感じています。
しかし脳科学的に見ると、判断力の低下は自覚されにくいという特徴があります。
なぜなら、判断を担う前頭前野そのものが疲弊しているからです。
多くの人が引っかかる「具体例」は、すでに日常にある
ここで、誰もが思い当たる例をいくつか挙げます。

① SNSで何度も見る健康・美容トレンド
- 毎日のように流れてくる
- 同じような言葉、同じ結論
- 「知らないと損」という空気
これは、InstagramやTikTokといったプラットフォームのアルゴリズム最適化の結果です。
脳は「頻度」を「正しさ」と誤認します。
② 検索すると必ず上位に出てくる答え
- 症状を調べる
- 商品を比較する
- 生き方を検索する
すると、同じような結論が並びます。
しかしこれは、Google Searchが「最適化された答え」を提示しているだけで、あなたにとっての最適解ではありません。
③ 有名人・専門家・権威の言葉をそのまま採用する
- テレビで言っていた
- 本を出している
- 肩書きがすごい
これらはすべて、脳にとって最も楽な判断材料です。
自律神経が疲れている脳ほど、
- 妥当性
- 前提条件
- 自分との相性
を検討せず、権威に判断を外注します。
「自分で考えられない人」が量産される脳の状態

これは教育や知性の話ではありません。
生理学の話です。
共通して起きていること

- 慢性的ストレス
- 睡眠の質低下
- 血糖の乱高下
- 軽度炎症
- 自律神経の硬直

この状態では、
- 前頭前野の活動が低下
- 批判的思考が使えない
- 「安心そうな答え」に飛びつく
という反応が起きます。
つまり、考えないのではなく、考えられない。
コントロールされやすい人間が生まれる構造
この状態の人間は、
- 善意の情報にも
- 悪意の情報にも
同じように影響を受けます。だから問題は、
- 流行そのもの
- インフルエンサーそのもの
ではありません。
受け取る側の脳が、判断不能になっていることです。
コントロールする側が善なら、教育になる。悪なら、搾取になる。
違いを生むのは、受け手の思考力ではなく、神経の回復度です。
なぜ私は「意識改革」や「考え方」から入らないのか

よく言われます。
- もっと自分で考えなさい
- 情報リテラシーを高めなさい
- 流されないで
しかし、脳が疲弊した状態でそれを言っても無意味です。
これは、電池切れのスマホに「高性能なアプリを使え」と言うようなものです。
結論:思考の質は、性格ではなく「神経の余力」で決まる
- 判断できない
- 流されやすい
- 騙されやすい
それは人格の問題ではありません。
あなたの脳が、もうこれ以上考えるエネルギーを残していないだけです。

だから本質的な解決は、
- 脳の疲弊を回復させること
- 自律神経の可動域を取り戻すこと
- 判断を内側に戻すこと
この順序しかありません。
これは特定の誰かの話ではない

有名人でも、一般人でも、賢そうな人でも、真面目な人でも、条件が揃えば誰でも起きる現象です。
私が問題にしているのは、なぜ、私たちは自分で考えなくなったのかではなく、なぜ、考えられない脳の状態が当たり前になっているのかです。
ここを外さない限り、同じ構造は何度でも再生産されます。


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