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ニューロアンチエイジング

「善意」がもたらす落とし穴|家族を想うほど、神経を疲弊させてしまうことがある

大切な家族のためによかれと思ってしたことが、実はその人の体と心に負担を与えてしまうことがあります。

多くの人は、医療のリスクや限界を深く知る機会がありません。
そのため「検査を受ける=安心できる」と思い込み、実はその行為自体が本人にとって大きなストレスになっているケースもあります。

医師の中にも、患者さんに本当のリスクを伝えたいと思う人はいます。
しかし、常識や恐れにとらわれた相手に説明すると、「冷たい」「やる気がない」と誤解されてしまうことが少なくありません。

世の中では、笑顔で薬をたくさん出す医者が「良い医者」「と見なされる風潮があります。
けれども、それは「安心の演出」であり、本当の安心とは違う場合も多いのです。

私の父が高齢だった頃、こんなやり取りをしました。

「胃の調子が悪いから、内視鏡を受けた方がいいかな。」
父の言葉に対して、私はこう答えました。

「前回も異常はなかったよね。
もし仮に病気が見つかったとしても、
治療の負担に耐えられる体力はもうないと思う。
だから今は、無理をせず、日常を穏やかに過ごす方がいい。」

その後、父の不快感は自然と落ち着いていきました。
「安心」「が神経を鎮め、症状を軽減した例です。

逆に、不要な検査を受けたことで食欲を失い、体力を落としてしまう方も少なくありません。
検査には、メリットもあればデメリットもあります。

検査結果でネガティブな言葉をかけられると、人はその言葉を頭の中で何度も再生してしまいます。
やがてその「言葉の反芻」「が、体を本当に不調に導いてしまう。
これが、言葉が神経系に与える暗示的影響(ノーシーボ効果)です。

父の場合は、逆の方向……
「安心できる言葉」が副交感神経を優位にし、体が自らバランスを取り戻していきました。

今回の話は医療の一例ですが、同じことが日常・人間関係・仕事にも当てはまります。

「正しい知識を持つこと」
「思い込みにとらわれないこと」
「相手の神経が安心できる声かけを選ぶこと」

これらはすべて、心から整う美容と健康の基本原理です。

自分や大切な人を守るためには、「優しさ」「よりも「理解と冷静さ」「が必要な場面があります。
それが、ニューロアンチエイジングが伝えたい「真のケア」の形です。

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