
【年相応でいい】と思っていると、老化が早まる理由|ニューロアンチエイジングが教える思考と神経の若返り法
年相応という言葉がつくる「思考の限界」
診察で「10歳若返りましょう」と話すと、「私は年相応でいいんです」と言う方がいます。
けれども、「年相応」とは一体、誰が決めた基準でしょうか?
「きれいでいたい」元気でいたい」若くいたい」……
素直にそう言える人ほど、実際に若々しく見えます。
なぜなら、脳が若さのプログラムを実行しているからです。
国が示す「年相応」とは何か
第1章 高齢化の状況(第2節 3)
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向(3)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/zenbun/s1_2_3.html
内閣府のデータでは、65歳以上のうち、半数近くが何らかの自覚症状を持ち、4人に1人は生活に支障を抱えています。
つまり「年相応でいい」という言葉は、「体の不自由を受け入れる」という意味に近い。
日本の「平均的な年相応」は、決して理想的な老い方ではないのです。
「年相応」がもたらす心理的な麻痺
年相応を望む人の多くは、実は「他人の目」を基準にしています。
- 老けて見える同年代の中で目立ちたくない
- 健康診断を受けているから大丈夫と思いたい
- 変わる努力をする勇気がない
これらはすべて、防衛反応(心理的ホメオスタシス)です。
人間の脳は「変化を避ける」ようにできている。
しかし、避けるたびに神経は鈍くなり、若さを保つ「可塑性(plasticity)」が失われていきます。
つまり、「年相応」とは……
変化を拒む脳の言い訳なのです。
世界では「年齢」ではなく「神経年齢」が語られている
海外では、高齢でもアクティブに働き、学び、運動する人が多い。
これは体力だけでなく、神経可塑性を維持しているためです。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45510
スウェーデンでは「寝たきり老人」がほとんどいません。
彼らは「年齢」ではなく、「神経年齢(neural age)」を重視しています。
それは、「できる限り動く・考える・つながる」という生き方そのものです。
Dr.小池は「年相応」を拒否します
私は医師として、そして一人の人間として、「年相応」という言葉を使いません。
それは、脳を老化させる呪文だからです。
- 「もうこの歳だから」
- 「仕方ない」
- 「若い人には敵わない」
この3つの口ぐせが、神経の電気信号を鈍らせ、脳の回復力を奪っていくのを、私は臨床で何度も見てきました。
若さは肉体ではなく、「情報の質」で決まる
多くの人は「食事」や「サプリ」で若返りを考えます。
しかし、最も影響を与えているのは「情報」です。
SNS・広告・常識……それらがあなたの脳を「年相応」に洗脳していく。
医療も美容も、広告も、あなたの意識を固定化する仕組みの中にあります。
だからこそ、まず外すべきは、思い込みという情報ウイルスです。
10年前の自分を取り戻すという挑戦
10年前のあなたは、もっと柔軟で、もっと自由だったはず。
それは体だけでなく、思考の柔軟性のことです。
ニューロアンチエイジングとは、その柔軟性を取り戻す科学です。
若返りとは、時間を巻き戻すことではなく、「心と神経を再教育すること」。
あなたが「年相応」を超えて生きるとき、脳は必ず応えてくれます。
まとめ:年齢ではなく、神経で生きる
- 年相応という言葉は、脳を老化させる暗示
- 若さとは、神経可塑性を保つこと
- 年齢ではなく、神経年齢で生きる時代へ
私は断固として、年相応を拒否します。
それは、医学的にも心理学的にも、人の可能性を奪う最も危険な言葉だからです。
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