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結果を出す組織|結果を出せない組織|産業医ドクター小池コラム

基本的には、人は文化が違います

価値観が違うという言葉が、よく使われるかもしれませんが、いまいち分かりにくい。

(米国の文化人類学者ルース・ベネディクト『菊と刀』を授業で習いましたが、内容は覚えていません。)

家の中に、靴で上がるか、靴を脱いで上がるか。

そういう分かりやすい違いだと、文化の違いも分かるかもしれませんね。

靴を履いたままか脱ぐかの話と同じくらい、人は文化が違うという前提を忘れがちです。

結果を出す組織|結果を出せない組織

「結果を出す組織」という言葉を聞くと、なにか秘密やコツがあるような勘違いがあります。

ここでは、組織が円滑にまわって、それぞれの人の能力が発揮されるという意味です。

 

まずはじめに、人は文化が違うから、「こう言えば伝わるだろう」が通じません。

伝わらないので、わかり合うこともありません。

わかり合えるのは、たまたま文化が近くて、思考や人格のレベルが近いからです。

あるいは、相手がわかったふりをしているだけです。

 

同じ言葉でも、相手の理解が違います。

「◯◯さんは、もったいないよね!」

どういう意味に感じますか?

  • 〇〇さんは、もっともできるはずの人間だ!
  • 〇〇さんは、無駄なことをやって愚かな人間だ!

いろいろなニュアンスがあります。

 

これは言葉の文化の違いでしょうか?

それとも、言った人と言われた人との人間関係でしょうか?

 

なにが言いたいかというと、「ほらっ!人って表面的なやりとりでは理解し合えないでしょ?」ってことです。

これで、「結果を出す組織」になれるのでしょうか?

 

ひと昔前までは、終身雇用・年功序列・退職金という三種の神器があって、我慢していればご褒美もあったので、組織で問題を起こさず働きつづけることがみんな当たり前でした。

 

最近では、終身雇用の人は少なく、早期退職が増えている時代のようです。

 

人の役に立つ・やりがいを感じる・必要とされるなど「充実感を大事にして働く」人も増えてきたといいますが、実際は本当かどうか分かりません。

沢山の人に早く止めてほしいと思っている大企業が、「やりがい求めてみんな転職しているよ~」と煽っているだけかもしれませんね。

人間関係をよくするために

文化の違い、能力の種類の違いを認めた上で、相手に興味や感心をもち、否定せず話を丁寧に聞き、相手のメリットを考えましょう。

関係性もよくないのに、部下に何かに困っている事があるかを聞いても、素直に喋ってもらえるのでしょうか?

本音や有益な情報が聞きだせますか?
意見を出し合い仕事を工夫できますか?
トラブルが起きた時もすぐに相談してもらえますか?

命令とマニュアルで報告を義務・強制にしたら、マニュアルの範囲内ではやってくれるでしょう。

義務だから報告しました!というよりは、仕事をよくしたいから報告しました!となってほしいですよね。

  1. 挨拶レベル
  2. 情報報告レベル
  3. 雑談レベル
  4. それ以上の話、深い話に発展していくレベル

会社では、このような段階を経て、部下との関係性が変わっていくように思います。

人間関係をよくするためには、当たり前ですがコミュニケーションが大事です。

雑談もできない相手とどのようにコミュニケーションを取ればいいのでしょう?

たとえば、このように考えている人がいたとします。

「お前のこと好きじゃないし、仕事じゃなかったら喋るつもりもない。仕事のルールだから、業務上のことだけはとりあえず話しているだけ!」

こんな人間関係で結果の出る仕事を円滑に進められるのでしょうか。

明確にすることを決める

人間関係ができても、文化の違いは残ります。

各自、能力の種類も違います。

  • お客様に対して最高のコミットメントをする人
  • 仲間やチームが良いパフォーマンスになれるように配慮する人

どっちが偉いんですか?

どっちが昇給するんですか?

こう社員から聞かれたら明確に答えられますか?

 

こう決めるべき!と言っているのではなく、自分たちの組織の場合はこうするのだ!と決めておいた方がいいよ、という意味です。

 

メール一つとっても、何時間以内に返信するのが正解ですか?

当日、24時間、2~3日、1週間以内

普通は当日、1時間以内でしょう?と思い込んでいる人は、少しでも遅いと相手を否定する気持ちになります。

 

お互い忙しいんだから、緊急性がなければ2~3日でいいと思う人もいるでしょう。

では、緊急性の度合いをどうやって判断するのでしょうか。

 

別になにごとも、明確に決めなくても構いません。

その場合は、「明確な決定はしない」と明確にして下さい。

 

このラインを守るけれど、これ以上はダメというラインをつくった方が、面倒は減り、行き違いや無駄なストレスは減ります。

 

明確にしないで放置していると、声には上がらないだけで、おかしい、納得いかない、ちゃんと説明しろ、と不満を持っている人はいっぱいいるかもしれません。

そして、口では「分かりました」と言って、あとで愚痴を言ってるかもしれません。

人によって「普通」と思っていることが違うことを忘れないでください。

小池はこう考える

以上述べてきたことは、「上意下達」の今までの会社のあり方に対しての話です。

安定やお金、ステータスを得る代償として、やりたくない仕事を心をすり減らしながらおこなうのが、日本人のほとんどです。

だから、働く人の半数が強いストレスを感じています。

残りの半数がストレスゼロ、ハッピーの可能性は低そうです。

 

「強いストレス下でも結果を出す組織」という前提があるので、働き方改革だの、良好な人間関係だの、何かしら実践すれば組織がよくなるような錯覚がおきます。

コーチングの理論では、そんなのは嘘っぱちだと考えています。

そもそも、やりたいことで社会や人の役立つこと(社会に機能を提供すること)が仕事です。

何か商品やサービスを売って売上になっていても、やりたいことでなければ仕事とは定義しません。

何の思い入れもないので、「ただのお金儲け」と定義すると、区別しやすいでしょう。

会社、経営者のゴールが何なのか、これがまず決まっていないといけません。

そして働く人のゴールは様々です。やりたい仕事として会社に来ている人もいるし、お金儲けとして来ている人もいるし、趣味に近い感覚で来ている人もいるかもしれません。

ドクター小池クリニックは「アンチエイジング医療で人が自信を取り戻すこと」というゴールがあります。

働く人は、アンチエイジングが趣味だから、得意なスキルでクリニックで貢献したいから、生活のため、と色々ゴールがあるでしょうが、「アンチエイジング医療で人が自信を取り戻すこと」という大きなゴールが、他の人のゴールを包摂すればいいわけです。

しかし、全員が基本はやりたいこと、Want-toであることが前提です。

ある人のゴールが「アンチエイジング医療を通して日本人を元気にし再びジャパンアズナンバーワンにすること」とさらに包摂するような大きなゴールなら、私の代わりに院長をやればいいのです。

皆が同じ方向を向く会社!同じゴールを!と言っている自己啓発、コンサルタントがいるかもしれませんが、もっともらしいことを言ってるだけのただのウソです。

結果を出し続けるとすれば、会社の大ゴールが、社員の小ゴールを包摂すること。そして、各ゴールがそれぞれの人のやりたいこと、Want-toであることです。

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