植毛とはどんな治療?植毛の種類や費用を調査
ここでは植毛の種類や費用、そして人体にどのような影響があるのかメリットとデメリットを紹介していきます。
そもそも植毛とは
植毛は薄毛部分に自分の髪の毛、または人工毛を植えつけて再生する方法です。
現在の日本では、8割から9割ほどは自毛植毛を選択する方が多いです。
自分の髪の毛ならアレルギー反応を引き起こすこともありませんし、生着率(髪の毛が抜け落ちても再び生えてくる割合)が高まります
そもそも自分の毛以外を植毛してしまうと違和感が生まれてしまうため、他人の毛を植毛するのは現実的ではありません。
それに健康な髪の毛の株(皮膚まで含んだもの)を提供する人はいませんからね。
植毛はAGAの影響を受けていない後頭部の株を採取して、薄毛部分に移植するケースがほとんどです。
薄毛の人でも悪性の男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)は後頭部や側頭部に影響が出ません。
つまり自分の髪の毛とはいえ、薄毛にならない髪の毛を採取するので根付くというわけですね。
2種類の植毛方法
植毛には大きく分けて自毛植毛、人工毛植毛があります。
具体的な治療方法を解説します。
自毛植毛
自毛植毛はクリニックによって治療法は若干異なりますが、後頭部にある髪の毛の株を横に切り取って、それを薄毛部分に移植する方法が主流です。
切り取った部分をそのままにしておくわけにはいかないので、皮膚を上と下から引っ張ってきて縫合して穴を埋めます。
傷跡は線のように1本のラインになるので目立ちません。
髪の毛だけでなく髪の根元組織まで移植していますから、移植後、髪が抜け落ちてもまた生えてきます。
まるで「植物の苗を買ってきて、プランターに植え替える」ようなものですね。
人工毛植毛
一方、人工毛植毛の場合、自分の髪の毛ではなく人工的に作られた合成繊維を植え付けます。
見た目以上は自分の髪の毛と大差ありませんが、成分的にはナイロンやポリエステルでタンパク質ではありません。
そのため、いつまで経っても髪が伸びてくることもありません。
言わば異物を頭皮に装着しているような状態ですから、定期的なメンテナンスも必要になってきます。
人工毛以外の自分の髪の毛が伸びて、違和感が生まれてしまうこともありますからね。
また体質によっては拒絶反応を体が示して皮膚炎を起こしてしまうことも。
結局、作り物を身につけているということには変わりないので、あまりお勧めできる方法ではありません。
植毛のメリット、デメリットとは
身体的影響、金銭面など多角的に分析してみました。
植毛のメリット
植毛には下記のメリットがあります。
- 自分の毛を移植できる
- アレルギー反応を起こすリスクが少ない
- 生着率が高い
- 即効性がある
- ランニングコストが良い
皮膚アレルギーを起こしている人でなければ、ほとんどの方が施術可能です。
AGAを発症している人でも、後頭部は問題ない方がほとんどでのため、自毛植毛出来ます。
なんといってもメリットは生着率。
後頭部の髪の毛が薄毛部分で蘇っているようなものですから、今後もAGAの影響を受けにくいです。
そして意外とコスト面でも長期的な視野で見たら悪くありません。
薄毛範囲によって施術費用は大きく異なりますが、大体100万円から150万円程度。
例えば育毛剤と内服薬で治療する場合、1ヶ月で1万円から1万5000円程度。
1年で15万円ほどかかると想定すれば、10年経った場合に150万円。
10年間という期間で考えれば、意外と料金は変わらないものです。
育毛剤治療で150万円使うか、植毛で150万円使うかという判断になりますね。
Drこいけ
多くの人が、金額が高いほど商品やサービスはいいものだと思い込んでいます。高い金額を支払うことができるという自尊心も、あるかもしれません。思い込みや自尊心につけ込んで、商品・サービスの中身よりも広告・マーケティング重視の医療があります。
高いだけあって効果や価格に見合った価値のある医療も確かにあります。金額で選んでも、当たり外れがあることを知っておくとよいかもしれません。
自分の体に施す医療に、治療の良し悪しよりも、コストパフォーマンスを重視する人がいます。植毛のように、「支払は高いけれど1回きり、一生ものだから植毛はコスパがいい」と思っている人がいます。
もし植毛手術を受けなければ、徐々に頭皮がツルツルになるだけで済みます。逆に、品質や技術の悪い植毛を受けたことで、頭皮はデコボコ、オバケのQ太郎のように頭皮にバラバラの雑草が数本生えているような状態になった人がいます。
自分の頭皮だったら泣きます°(´∩ω∩`)°。 しかしその人は、コスパがよかったと低品質な植毛に満足している様子でした。満足しているならよいのですが、これから治療を考えている人には用心してほしいです。
植毛のデメリット
植毛には下記のデメリットがあります。
- 手術が必要
- 傷跡が多少なりともつく
- 痛みがある
- 短期的なコスト負担増
- 即効性がありすぎることによる周囲への影響
何と言っても株を採取するというオペが必要になりますから、少なからず後頭部に傷がつくのは否めません。
手術の際に出血が見られることもあります。
また人によっては腫れや痛みが増してしまい、痛み止めが必要になることも。
そして手術してから2週間ほどは患部を安静に保つ必要があるため、血行促進作用を与えることはおすすめできません。
例えば運動をしたり、飲酒もできなくなります。
また、公に周りに言えるような環境なら良いですが、明らかに髪のボリュームがアップしますので、周りの人が違和感を感じる可能性もあります。
その点も理解した上で植毛する必要があります。
増毛のメリット、デメリットとは
増毛は植毛とは違い、髪を植えるのではなく取り付ける方法です。
増毛のメリット
増毛には下記のメリットがあります。
- 体への負担が少ない
- 施術時間が短い
- 植毛に比べれば料金が安い
- 即効性がある
増毛の主な方法は、自前の髪の毛に人工毛を取り付ける方法。
1本の髪の毛に対して、4本程度の髪の毛を根元を縛って取りつける方法です。
ある程度髪の毛が生えていれば、装着できますのであっという間にボリュームアップが可能。
最近は毛の細さや色など、様々な人工毛が用意されているので自分の髪の毛にもフィットするような増毛が可能です。
増毛のデメリット
増毛には下記のデメリットがあります。
- 定期的なメンテナンスが必要
- 即効性がありすぎることによる周囲への影響
- そもそも薄毛が改善したわけではない
- 続ける場合は半永久的に費用がかかる
見た目以上はすぐに改善されますが、根本的な改善に至ってないので常にメンテナンスを意識しなければいけません。
1ヶ月もすると根元の結束部が浮き上がり、違和感のある髪型に。
放置していると、ひょっとしたら誰かに気付かれてしまうかもしれません。
そして半永久的にメンテナンスが必要で1年間で30万円から40万円ほどかかります。
育毛剤の治療、内服薬の治療、植毛治療などいろいろな方法がありますが、増毛は最終的には一番コストがかかってしまう方法と言えます。
植毛と増毛の違い
結論から言うと、髪を頭皮に埋め込むかどうかの違い。
植毛にはニードル法やストリップ法などいろいろありますが、いずれにしても髪の毛だけでなく組織ごと移植する必要があります。
それに対し、増毛は頭皮の中まで髪の毛を埋め込むようなことはしません。
自毛に人工毛を縛り付けるか、あるいはシート型の人工毛を頭皮に貼り付けるかのいずれかです。
植毛は自分の髪の毛ですが、増毛は自分の髪の毛ではありません。
植毛費用相場と薄毛改善のために必要な髪の毛の本数目安
薄毛の状態で、どれぐらいの費用なのか解説していきます。
植毛の費用の決まり方
費用は薄毛の範囲によって大きく変わります。
- 額の生え際だけ薄毛になる人
- M字部分だけ薄毛になる人
- 頭頂部だけ薄毛になる人
- 前頭部がほとんど薄毛の人
例えば、額の生え際だけちょっと薄毛、頭頂部だけちょっと薄毛という程度でしたら1,000株前後の植毛でほとんど目立たなくなります。
その場合は一般的な植毛で80万円から120万円ほど。
尚、1,000株というのは大体2,000から2,500本ほどの髪の毛が生えています。
毛包は1つにつき1本しか生えないというわけではありません。
2本生えることもあります。
薄毛範囲が広範囲だと3,000株ほど必要になることもあります。
分かりやすいイメージで言うと、トレンディエンジェルの斉藤さんや志村けんさんぐらい薄毛の範囲が広いと、3,000株では間に合わない可能性が高いです。
逆にちょっとおでこが広いかなと思われるさまぁ~ずの三村さんぐらいだったら1000株程度で十分満足できるレベルまでいくはずです。
植毛費用の相場目安とは
改めて植毛費用について表にまとめました。
部位 | 移植株数 | 費用相場 |
・額の生え際だけ薄毛になる人
・M字部分だけ薄毛になる人 ・頭頂部だけ薄毛になる人 |
1,000株から1,500株
|
80万円から120万円 |
・前頭部がほとんど薄毛の人 | 1,500株から3,000株 | 120万円から250万円 |
例えば頭頂部も薄毛で、生え際も薄毛ということでしたら2,000株ほど必要になるため、費用も150万円を超える可能性大です。
一般的に薄毛だなと判断されてしまうような状態でしたら、大体2,000株前後必要になることが多いです。
またクリニックによって同じ株でも30万円から50万円ほど違いが発生します。
そのあたりよく比較することをお勧めします。
植毛の向き、不向きはあるのか?
植毛に向いている人と向いていない人を紹介します。
植毛に向いている人
植毛に向いているのは下記のケースです。
- 根本的な薄毛改善をしたい
- 即効性を求めたい
- 定期的なメンテナンスが面倒
- 継続的な支払いは避けたい
- 肝機能障害や心疾患がある
- AGA内服薬で副作用が出たことがある
どうしても費用は高額になってしまいますが、目に見えて効果が出るのが植毛です。
育毛剤を使ってもなかなか効果が出なくて悩んでいるという人にもおすすめです。
また、AGA治療薬として流通しているプロペシアは副作用も指摘されてます。
そういった身体へのリスクをできるだけ避けたいという方も植毛が向いています。
植毛が不向きな人
植毛に不向きなのは下記のケースです。
- ・高額負担が気になる
- ・ちょっとだけの薄毛で植毛するほどではない
- ・痛みを避けたい
数百万円の費用は必至ですから、ある程度資金的に余裕がないと施術を向けるのが難しいです。
また、組織の一部を移植しますので、少なからず出血などのリスクも考えられます。
そして皮膚を縫い合わせた時に違和感を感じたり、痛みを生じることもあります。
医療技術もかなり進歩していますので、痛みは最小限にとどめてくれるものの、全くの無痛というわけにはいきません。
そのあたり、ある程度覚悟を持って臨むことをお勧めします。
植毛に関するよくある質問Q&A
Q、後頭部の髪の毛を植毛したら後頭部はそのままハゲてしまうの?
後頭部の株を採取しても2000株くらいでしたら、ほとんど見た目でわからないぐらいのレベルで移植することができます。
採取した部分を皮膚と皮膚で結合しますので縫い目はできるものの、薄毛の範囲がそっくりそのまま残るというわけではありません。
多少の傷痕が残っても坊主にしない限り、まず傷跡が見えることはないでしょう。
少しでも髪を伸ばしてしまえば全くわかりません。
Q、植毛の際、痛みは発生しないの?
皮膚内の組織ごと採取しますので多少出血も考えられます。
ただ、ほとんどのクリニックでは植毛予定部分に麻酔をしてから、1株ごと植毛していきます。
激痛に耐えられないというほどではないでしょう。
ただ痛みが発生しただけの場合に備え、痛みどめを処方するケースが多いです。
また、術後はしばらく運動などを控え、髪も洗わないようにしましょう。
採取部は大体1週間程度、植毛部は2週間程度刺激を与えないよう過ごすことが必要です。
Q、移植した髪の毛は本当に定着するのか?
生着率は個人差はあるものの、80%を超えるケースが多いです。
例えば、1,000本の髪の毛があったら800本は再び生え変わるということ。
移植の際、しっかりと成長している株だけを採取していますので高い生着率となっています。
あとは移植後の生活習慣などで、生着率も変わってくると言えます。
「植毛したからもうハゲない」というわけではないので注意しましょう。
まとめ
以上、植毛について多角的に分析しました。
育毛剤などと違って手術が必要なので、簡単な事ではありませんが、発毛する可能性が高い髪の毛を移植しているので、自分の髪の毛として継続できる可能性大です。
比較的年齢が若い時の方がヘアサイクルも正常で、再び髪の毛が生えてくる可能性が高まります。
もし、育毛剤や内服薬で改善が難しいなら、植毛も検討してみてはいかがでしょうか。
この記事へのコメントはありません。