AGA治療で初期脱毛が起こった場合の考え方や対策
AGA治療を行うと、治療始めの段階で急に抜け毛が増えることがありますが、これは初期脱毛です。
普段より抜け毛の本数が増えますが、一時的なものなので心配いりません。
初期脱毛について詳しく解説します。
急に髪が抜け落ちる初期脱毛!抜け落ちる本数や期間とは?
AGA治療を行うと、発毛しようという力が働きます。
そうするともともと生えている髪の毛が押し出されるケースも出てきて、いつもよりが抜け毛が増えることがあります。
それが初期脱毛です。
生えている髪の毛といっても成長期の健康な髪の毛ではなく、退行期に差し掛かった髪の毛です。
退行期の髪の毛は成長が止まっていて、次第に毛も細くなり、抜け落ちる準備が始まっている髪の毛。
本来なら退行期から休止期へ移行し、そこで髪の毛が抜けるのですが、退行期の髪の毛がちょっと早めに抜け落ちてしまうため、初期脱毛が起こります。
ヘアサイクルのリセット時に起こる症状なので、AGA治療を行って抜け毛が急に増えるのは最初だけです。
初期脱毛はAGA治療を行ってから半年以内に見られる症状です。
個人差はありますが、短い人で1週間程度、長い人でも1、2ヶ月程度で落ち着くことが多いです。
そして初期脱毛時に見られる抜け毛の本数は、1日だいたい200本から300本程度。
通常時で100本程度といわれていますから、2倍、3倍の抜け毛があると初期脱毛を疑った方が良いでしょう。
ただ、1日の抜け毛の本数なんて数えていられません。
判断材料としては、下記のような違和感を覚えたら初期脱毛が起こっていると考えましょう。
「枕に抜け毛が増えた」
「シャンプーをしている時に抜け毛が増えた」
「髪をとかしている時に抜け毛が増えた」
髪が抜け落ちるタイミングは摩擦が起こったり、刺激を与えているタイミング。
髪に負荷がかかっているタイミングで抜け毛がどれぐらい増えたか確認してみましょう。
初期脱毛は病気ではない
急に抜け毛の本数が増えるとちょっと怖くなってしまいますね。
人生で急に抜け毛が増えることなんておそらくないと思うので、「ひょっとしたら病気ではないか・・・」と不安に思う人もいます。
脱毛が起こる病気として橋本病(慢性甲状腺炎)、バセドウ病などありますが、こういったものはどちらかというと女性がなりやすいものです。
他にも脱毛症としてストレスが原因の円形脱毛症、皮脂の過剰分泌が影響している脂漏性脱毛症、出産後ホルモンバランスが崩れて起こる分娩後脱毛症などがあります。
いずれも思い当たる節がなく、AGA治療を行って脱毛が起こったら病気ではなく初期脱毛と考えるのが一般的です。
急に抜け毛の本数が増えても慌てず体調に問題がないかチェックしましょう。
特に体調に異変がないようでしたら初期脱毛の可能性大です。
初期脱毛は放置しても良い?対策とは
抜け毛を減らして発毛させたいのに抜け毛が増えると辛いですね。
本末転倒な気がしますが、初期脱毛が起こっても何もしなくて大丈夫です。
今まで通り育毛剤を使用したり、内服薬を処方して治療を続けていきましょう。
抜け毛が増えたからといって、「育毛剤の塗布量が少なかったのかな?」などと思う必要はありません。
むしろ初期脱毛は薬の成分が効いている証。
ヘアサイクルの変化が始まったところなので、むしろ薬や育毛剤を継続しないと効果が持続しません。
逆に初期脱毛が起こって、「抜け毛が多くてどうしよう」と悩んでしまうと血行不順につながります。
人間の体はストレスを与えてしまうと血管が収縮します。
血管が収縮するとそれだけ毛細血管の流れも悪くなり、毛乳頭と呼ばれる毛の根元部分に栄養素が行き渡らなくなります。
その結果しっかりとした髪の毛の生成に繋がらず、一段と悪循環を招きます。
初期脱毛が起こっても深く悩まず、むしろ「育毛剤や薬の効果が効いてきたな」と前向きに捉えましょう。
初期脱毛が起こる割合とは
内服薬や育毛剤で具体的に、「何%の人に初期脱毛が起こる」という記載は残念ながらありません。
ただ、育毛剤や内服薬の副作用の割合は1割に満たない程度。
その中で、初期脱毛に限定したら更に低い数値になることが予想されます。
ということは、「100人の中で1人いるかいないか程度の割合」と推測されます。
そんなに頻繁に起こることではないので、必要以上に不安に思う必要はないでしょう。
Drこいけ
一般的には初期脱毛が少ないかのように言われることが多いかもしれません。本当は間違っているけど、正しいと思われている一般常識を説明した文章ですね。
実際の現場では、初期脱毛は高頻度でおきます。薬が体に影響している確実な証拠です。そのため初期脱毛が落ちつくと、育毛効果がきちんと見られます。
初期脱毛が起こりうる治療薬とは
内服薬や育毛剤で初期脱毛に関する記載を添付文書にて調べてみました。
- プロペシア
→初期脱毛に関する記載無し - ザガーロ
→初期脱毛に関する記載無し - リアップX5
→初期脱毛に関する記載無し - メディカルミノキ
→初期脱毛に関する記載無し
現在、男性型脱毛症のガイドラインで記されている評価の高い有効成分はデュタステリド、フィナステリド、ミノキシジルの3種類です。
その3種類を含んだ内服薬や育毛剤を調べてみましたが、いずれも初期脱毛に関する記載が見られませんでした。
つまり製薬会社は初期脱毛について正式に認定していないということでしょう。
しかし一方で、クリニックによって下記の記載もあります。
・発毛専門クリニックヘアメディカル
「プロペシアなどを用いた治療による初期脱毛は異常な反応ではなく、自然現象です。」
・AGA専門外来イースト駅前クリニック
「プロペシアに限った話ではなく、ミノキシジル外用液やザガーロカプセルなどを用いた治療でも同様に初期脱毛が起こることがあります。」
このようにAGA治療を行っているクリニックによっては初期脱毛に関して認めている記載もあります。
おそらく患者さんの中でも「AGA治療薬を使ったら抜け毛が増えた」といった相談があるのでしょう。
製薬会社が認めていなくても、実際にこういった意見があるので少数派とはいえ、初期脱毛は稀に起こる症状といえそうです。
初期脱毛でAGA治療を辞めた方が良い判断基準とは
AGA治療薬の添付文書には「6ヶ月使用して効果がなければ使用を中止し、医師に相談しましょう。」などと記載されているケースが多いです。
またクリニックによっては「3ヶ月以上脱毛が続く場合は初期脱毛以外の原因も考えられるため、医師に相談した方が良い」という記載もあります。
初期脱毛は個人差があり、どのぐらいで収まると言い切れない部分があり判断が難しいですが、3ヶ月を1つの判断基準として、それでも収まらないようなら、その薬が自分に合ってない可能性がありますので違った治療薬を模索しましょう。
まとめ
以上、初期脱毛について解説しました。
AGA治療を行ったからといって全員に初期脱毛が起こるわけではないのですが、時折抜け毛がたくさん出る人もいます。
そして、もし初期脱毛が起こっても短期間で収まり、次第にその症状は緩和されていくはずです。
ヘアサイクルの乱れを取り戻している段階ですので、少なくとも3ヶ月程度は様子をみてみましょう。
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