HARG療法とは?育毛剤や薬より効果あり?費用やデメリットを紹介
今日はは薄毛治療で有効な手段として知られるHARG療法について解説していきます。
HARG療法は一般的にはあまり知られていないけど、分かりやすく言うと、頭皮に栄養剤を注射して、髪の成長を促す方法。
ただ、誰にでも効果が出るわけではなく、また費用も高いから実際にする人は少なめ。
今日はそんな一般的にあまり知られていないHARG療法の実態について解説していきます。
HARG療法とは
HARG療法は「HARGカクテル」と呼ばれる成分を頭皮に注入し、毛髪の再生を促す方法。
注入される成分は成長因子にプラスしてビタミンやアミノ酸を混ぜたもの。
成長因子は「サイトカイン」と呼ばれるもので、インターロイキン、インターフェロン、造血因子、増殖因子、細胞傷害因子などの細胞が集まってできています。
サイトカインは眠っている細胞を活性化させる役割があります。
意味的にはサイトが細胞、カインがタンパク質なんですね。
細胞から細胞へ情報を伝達する役割があり、休止期になってしまっている髪の毛を再び起こす作用があります。
サイトカインを頭皮に注入することで細胞の増殖や分化、活性化に繋がるということなんですね。
サイトカインはもともと化粧品として配合されていた成分なんです。
サイトカインは
- アンチエイジング効果
- 肌を引き締める
- くすみやしみを防ぐ
などの特徴があります。
「細胞が活性化されるなら頭皮に注入すれば毛根も活性化されるのでは?」という考えから毛髪再生目的で使用されています。
幹細胞やiPS細胞の再生治療にも用いられる成分を注入
今ではサイトカインの効果が注目され、幹細胞やiPS細胞の再生治療にも用いられるほどなんですね。
そんなサイトカインを利用したHARG療法ですが、月1回注入し、全部で6回やるのが基本です。
つまり、治療期間は半年と非常に短いです。
即効性に定評があり、早い人だと3回目から4回目、遅い人でも6回終わるまでには効果が出ます。
ただし、効果が出る人はまだ毛包が完全になくなっていない人。
産毛が生えていたり、細い毛が少しでも生えている人なら再生する可能性があります。
逆に言うと毛包が完全に失われ、頭皮が硬くなっている人が「HARGカクテル」を注入しても再生しない可能性が高いです。
また、年齢により細胞の活性化が異なるため、50代や60代に注入しても効果が薄いとされています。
仮に効果が出ても一時的なもので、再び薄毛の状態になってしまう可能性大です。
HARG療法の注入方法
HARG療法といっても色々な注入方法があります。
注入に要する時間は、どの手法だとしても10分から20分程度。
施術前に消毒や麻酔をすることもあるので、全体では1時間ほどかかります。
それぞれの方法を解説していきましょう。
パピュール法
HARG療法では最もスタンダードな方法で、注射針を使ってHARGカクテルを注入していきます。
注射針ですから、やはり痛みは伴います。
頭部は皮膚が薄いので、敏感に痛みが神経に届きます。
痛みが心配な方は麻酔を併用することも可能です。
頭皮の表皮と真皮の間に栄養剤を注入します。
施術を受けた当日に帰宅可能です。
ナパージュ法
パピュール法と同様に注射針を使って注入しますが、表皮に注入するため、パピュール法より痛みは少ないです。
表皮でも皮下組織へ浸透すると言われていますので、痛みが心配な方はこちらを選択するのも良いでしょう。
ただ、パピュール法のほうがよりダイレクトに毛包に伝わるので、効果を考えた場合はナパージュ法よりパピュール法のほうがお勧めです。
ダーマローラー法
床のお掃除に使うコロコロローラーのような器具を使った注入方法。
コロコロに突起があり、極小針となっています。
頭皮にその器具をマッサージするように転がして、成分を浸透させていきます。
頭皮全体に施術を行うので痛みが伴います。
ダーマローラー法も表皮と真皮まで成分が届きます。
フラクショナルレーザー法
頭皮にレーザーを当てて、照射しながら成分を流し込む方法です。
パピュール法、ナパージュ法、ダーマローラー法などと違って注射針は使用しません。
イメージとしては脱毛機のような光を放つ機械で注入します。
一瞬ピリッとした痛みは走りますが、直接皮膚を傷つけるものではないため、安全性は高いです。
照射パワーを調整しながら注入することができます。
敏感肌の方や痛みが心配な方にお勧めの治療法です。
エレクトロポレーション法
「電気穿孔法」とも呼ばれ、電気を走らせて成分を注入していきます。
具体的には電気を当てて、表皮に小さな穴を開け、そこから成分を注ぐイメージです。
頭皮に穴をあけるといっても、極小のものですぐに閉じます。
注射針のように直接挿すわけではありませんが、こちらもピリッとした痛みを感じます。
成分の浸透度が高く、表皮から深度6cmの部分にも65%成分が浸透するといわれています。
HARG療法って効果あるの?
日本医療毛髪再生研究会の調査によると、「検証した2年間でHARG療法を行って対象部位に変化がないということはない」と記しています。
ただし条件があり、「薄毛部位に産毛、細毛が生えていないと効果が出ない」、「長年薄毛の状態が続き、表皮の毛穴が閉じてしまっている場合も効果が望めない」と記されています。
そして効果が出始めるのは3回目から4回目が多いです。
施術終了となる6回目が終わってから1ヶ月ほどして効果が出る人もいます。
ただ、効果があるといっても、永遠にその髪の毛が維持できるわけではありません。
推奨されている方法は6回の施術終了後、2、3ヶ月経った後に注入する方法(フォローアップ)。
髪の毛が安定してきたら、その間隔を伸ばしていきます。
半年に1回などと間隔を広げることも推奨しています。
ただ、再度脱毛が発生したケースも報告されています。
「約6ヶ月間フォローを中止した結果、再度脱毛するケースがあった」
上記のように記載されていて、半年間放置したら再び脱毛が始まった事例があります。
その他異なった報告事例として、「HARG療法を行った後に白髪が黒くなった」という例があります。
これはHARGカクテルに含まれた成長因子が働き、メラニン細胞の退化を防いだことが原因とされています。
尚、HARG療法による効果は具体的に「何%の人に効果がある」というデータは発表されていません。
各クリニックが独自で集計して「80%以上の人に効果がある」などと伝えているところもありますが、独自データのみで公的な発表はありません。
年齢や脱毛の進行度によって効果も異なるため、一概に断言できない部分もあるのでしょう。
HARG療法はどこで受けられる?
HARG療法はAGAクリニック、美容外科、皮膚科などで施術を行っています。
HARG療法は女性でも治療が可能な方法ですので、美容外科で導入しているケースも目立ちます。
その他日本医療毛髪再生研究会で、HARG療法の認定施設一覧が載っていますので、そちらでチェックしてみても良いでしょう。
クリニックによって費用や手法も異なりますので、いくつか検討した上で納得できるところを選択してみましょう。
HARG療法の一般的な費用相場とは
HARG療法は頭頂部や前頭部だけ薄毛になっている人と、頭部全体が薄毛になっている人で、料金も異なります。
また、1回のみの料金で設定しているクリニックと、6回セットで料金を提示している所があります。
大まかな相場目安は下記の通りです。
前頭部と頭頂部のみ
1回あたり:10万円
頭部全体
1回あたり:12万円
HARG療法は6回が1つのサイクルとなりますので、60万円から70万円程度の費用が必要になります。
また6回目以降のフォローアップも多少間隔をあけて行う必要があり、半永久的にお金がかかってしまう点も心得ていた方が良いです。
良心的なところだとフォローアップの料金が7、8万円に設定されていて、定期的な通院がしやすいところもあります。
仮に1年間通った場合の料金をシミュレーションしてみましょう。
1月:1回目の注入(10万円)
2月:2回目の注入(10万円)
3月:3回目の注入(10万円)
4月:4回目の注入(10万円)
5月:5回目の注入(10万円)
6月:6回目の注入(10万円)
8月:フォローアップ(8万円)
10月:フォローアップ(8万円)
12月:フォローアップ(8万円)
1年で9回通院することになり、およそ84万円。
2年目以降は2、3ヶ月に1回というペースになるので金額も40万円から50万円程度で済むはずです。
いずれにしても数十万単位の費用が必要になることは覚悟しておきましょう。
HARG療法のメリット、デメリット
HARG療法のメリットとデメリットをまとめてみました。
【メリット】
- 男性女性問わず治療できる
- 自分の髪の毛として再生できる
- 治療期間が短い
- 短期間で効果が出やすい
- 通院回数が少ない
- 育毛剤と併用できる
- 内服薬と併用できる
- 副作用のリスクがほぼない
【デメリット】
- 費用が高い
- 多少痛みを伴う
- 誰でも効果が出るとは限らない
- 施術している病院はそこまで多くない
- 半永久的に治療が必要
それぞれメリット、デメリットがありますが、一番の魅力は短期間で効果が出ること。
育毛剤や内服薬を使用しても半年で効果を期待するのはかなり難しいです。
それに引き換えHARG療法は早い人だと2、3ヶ月ぐらいで目に見えた効果が出てきます。
細胞を活性化させる成分を直接毛乳頭に届けるため、短期間での効果が見込めます。
また、HARG療法は他のAGA治療と同時進行できるのが嬉しいところ。
例えば、HARG療法を行いながらプロペシアを服用するなんて方法もアリです。
抜け毛を防ぐプロペシア、発毛を促すHARG療法という攻守に渡った活躍が期待できます。
そしてHARG療法は成分を肝臓で代謝させるわけではないので副作用のリスクもありません。
例えばプロペシアの場合は性的機能の低下や肝機能障害が指摘されています。
そういった身体への負担を最小限にとどめてくれる点も魅力です。
一方デメリットとなるのは、高いお金を払っても100%効果があるわけではないということ。
毛根が減退している人だと効果が出ないこともあります。
60万円ほど払って効果が出ないとショックも大きいですね。
できるだけ失敗を防ぐには、事前に頭皮チェックなどを行ってもらい、やる価値があるのか医師に相談すること。
薄毛治療は自由診療なので診察を受けても、お金を請求されないところもあります。
納得した上で施術を行うか検討してみましょう。
まとめ
以上、HARG療法について紹介しました。
育毛剤だと長年使用したわりに大した成果が得られないということも多いですから、即効性のあるHARG療法は魅力的です。
ただ、自分の頭皮状態や予算なども考慮した上で最終的な判断しましょう。
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