アボルブの薄毛効果!デュタステリド(ザガーロ)の違いとは?
Drこいけ
今日は薄毛治療薬としても使われている「アボルブ」という薬について書いていきます
アボルブの主成分は、同じくAGA治療薬「ザガーロ」にも使われているデュタステリドです。
ザガーロとアボルブは主成分が同じなので、兄弟みたいなものですね。
もともとアボルブは前立腺肥大症治療の薬なんだけど、薄毛の原因の5αリダクターゼの働きを妨げる働きがあることから、AGA治療薬としても認可されるようになったのが経緯となります。
つまり、元々はAGA治療薬ではなかったわけです。
他のAGA治療薬も元々は別の目的で作られたものも多く、髪の毛が生える効果があるということでAGA治療薬となっています。
アボルブは前立腺肥大症治療薬
アボルブは2009年9月に正式に承認された前立腺肥大症治療薬。
ただ、5a還元酵素阻害薬としての役割もあるため、一部のAGAクリニックや皮膚科で処方されることもあるんですね。
➥5α還元酵素(リダクターゼ)についてはコチラの記事に詳しく書いてあります。
後ほど詳しく説明しますが、AGA治療で用いられるザガーロと成分的にほとんど一緒なので、薄毛改善目的にも使われます。
ただ、アボルブの取扱説明書には下記のような記載もあります。
Drこいけ
前立腺が肥大していない患者における有効性および安全性は確認されていない。
つまり前立腺に問題がないのに薄毛目的で使用することは、本来の目的から外れていますよという説明ですね。
前立腺肥大症と薄毛って関係あるの?
前立腺と薄毛に関係しているのは男性ホルモン。
人間の体は40代ぐらいになると、だんだんと男性ホルモンの働きが悪くなり、前立腺が大きくなったり、薄毛を発症したりします。
薄毛の場合は、テストステロン等男性ホルモンが5αリダクターゼという還元酵素と結びつくことでジヒドロテストステロンという悪性男性ホルモンに変化し、それが頭頂部や生え際に滞留して毛周期を乱す働きがあります。
正確には男性ホルモンが悪さをしているというより、還元酵素との結びつきによって前立腺や髪の毛に影響が出てきます。
アボルブやザガーロはデュタステリドという成分が、5aリダクターゼ(還元酵素)を阻害してジヒドロテストステロンに代わるのを防いでくれるんですね。
つまり男性ホルモンと悪い酵素を切り分けてくれるような役割があります。
人間は年齢を重ねると、とどうしても体内に存在する悪い酵素の比率が高まってしまいますから、男性ホルモンもそれだけ影響を受けやすいということです。
アボルブとザガーロを比較!どう違うの?
アボルブとザガーロは同じデュタステリドを主成分とする内服薬です。
どう違うのか?アボルブとザガーロの違いを表にまとめてみました。(赤字部分が違うところです)
ザガーロ | アボルブ | |
形 | カプセルタイプ | カプセルタイプ |
配合されている成分、添加物 | ジブチルヒドロキシトルエン、中鎖モノ・ジグリセリド、ゼラチン、グリセリン、濃グリセリン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三酸化鉄、中鎖脂肪酸トリグリセリド、レシチン | ジブチルヒドロキシトルエン、中鎖モノ・ジグリセリド、ゼラチン、グリセリン、濃グリセリン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、中鎖脂肪酸トリグリセリド、レシチン |
主成分 | デュタステリド | デュタステリド |
承認 | 2015年9月 | 2009年9月 |
容量 | 0.1mg/0.5mg | 0.5mg |
製薬会社 | グラクソスミスクライン株式会社 | グラクソスミスクライン株式会社 |
効能 | 5aリダクターゼ1型と2型を阻害 | 5aリダクターゼ1型と2型を阻害 |
併用注意薬 | リトナビル(血中濃度を上げる作用があるものは控える) | リトナビル(血中濃度を上げる作用があるものは控える) |
注目は成分。
ザガーロとアボルブの成分はほとんど一緒ですが、ザガーロの方には「三酸化鉄」という成分が入っています。
三酸化鉄は金属の鉄と酸素がくっついたもので、食品添加物(着色料)として使われています。
コーティングする際の色みを意識して配合された意味合いが強い成分なんですね。
つまり作用には直接関わりがないもの。
三酸化鉄があってもなくても、前立腺肥大症や薄毛改善効果が高まるわけではありません。
三酸化鉄は体内に入ると胃酸の影響を受け、腸管で吸収されますが、健康への影響はありません。
尚、アボルブは1カプセルにつき0.5mgしかありませんが、ザガーロは0.1mgと0.5mgがあります。
男性型脱毛症の改善目的で服用する場合、安全性を考慮して、ザガーロの0.1mgから始めるのが無難です。
アボルブもザガーロも成分はほとんど一緒で、製造している製薬会社も一緒です。
そう考えると、どちらを服用しても安全性に大きな違いはないでしょう。
アボルブの副作用とは
ザガーロと成分がほぼ一緒ですから、副作用の出方もザガーロとにていますね。
国内では臨床試験が行われ、403件中44件の副作用が報告されています。
- 報告されている主な内訳は下記の通り。
- 勃起不全:13例(3.2%)
- リビドー減退:7例(1.7%)
- 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房不快感):6例(1.5%)
上記は軽度のものですが、中には重大な副作用も。
- 肝機能障害:(1.5%)
- 黄疸:(頻度不明)
- アボルブを摂取するとAST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンなどの数値が上昇するんですね。
これらは肝細胞を表すもの。
肝細胞が壊れると血液中に流れ、これらの数値が上昇します。
健康な人でも多少血液中に含まれるものですが、あまりに数値が高いと肝機能障害が起こっている可能性があるので要注意。
アボルブは少なからず肝臓への影響があるので、下記の病気が疑われる方は服用を控えた方が良いと思われます。
アボルブを控えた方が良い人
- 急性肝炎
- 劇症肝炎
- 慢性肝炎
- アルコール性肝炎
- 脂肪肝
- 肝硬変
- 肝がん
尚、基準値は下記の通りです。
- AST (GOT):7~38 IU/L
- ALT (GPT) :4~44 IU/L
アボルブを服用して体調が悪くならないように、処方してもらう前にこういった検査をしてくれるクリニックを選択しましょう。
アボルブはどこで入手できる?
アボルブはAGAクリニック、皮膚科、泌尿器科、循環器科などで処方されますが、泌尿器科や循環器科での処方は前立腺肥大症の病気に処方されるケースが多いです。
薄毛治療としてアボルブを考えている場合はAGAクリニック科、皮膚科に着目して探すとよいですね。
当クリニックでも独自に調査しましたが、やはりAGAクリニックが多いですね。
薄毛治療として内服薬を考慮する場合、アボルブよりプロペシアやザガーロを処方されるほうが一般的ということですね。
アボルブを処方しているクリニック自体もどちらかというと少ないです。
尚、釈然としない部分があるかもしれませんが、同じ薬なのに前立腺肥大症と診断されてアボルブを処方される場合は保険適用となりますが、薄毛治療目的でアボルブを処方されても保険適用となりませんのでご注意ください。
アボルブの相場とは
当クリニックがホームページ上の価格を調査した内容だとこのような感じです(都内の有名6クリニック)
アボルブの相場(1ヶ月分)は概ね「7,500円~12,000円」
と若干開きがあるものの、1万円程度と考えると妥当かなと思います。
【アボルブ1ヶ月分】
- Aクリニック:9,450円
- Bクリニック:7,800円
- Cクリニック:9,480円
- Dクリニック:7,560円
- Eクリニック:9,050円
- Fクリニック:1万2,000円
風邪などと違って自由診療ですから、値段もそのクリニック自体が決めています。
だいたい9,000円前後が相場といったところでしょう。
尚、ほぼ同成分のザガーロもこのぐらいの値段(9,000円前後)です。
ちなみにデュタステリドではなく、フィナステリドが入ったプロペシアは7,000円から8,000円が相場です。
あと、初回は初診料や血液検査料など別途費用がさらにかかることが予想されます。
AGA治療薬の使い分け
AGA治療として処方されている薬はいくつかあります。
安全性を考慮し、段階を経て薬を選択するのが無難です。
お勧めの方法は下記の通りです。
- 薄毛が進行し始めた
→プロペシア0.2mg - プロペシア0.2mgだとあまり改善が見られない
→プロペシア1mg、あるいはザガーロ0.1mg - 薄毛の進行が深刻
→ザガーロ0.5mg、あるいはアボルブ0.5mg
まずは、プロペシアで容量の少ないものから試していくのがお勧めです。
そしてあまり効果が見られないなと思ったら、ザガーロの容量の少ないもの、それでも効果が薄ければザガーロかアボルブの0.5mgを試すのがお勧めです。
プロペシアの方が値段的にも安いですし、副作用のリスクもザガーロやアボルブに比べれば少ないと言われています。
体に慣れさすという意味でも、まずはプロペシアから試してみてはいかがでしょうか。
それでも効果がなければ、ザガーロやアボルブを検討するステップがお勧めです。
まとめ
以上、アボルブについて紹介しました。
前立腺肥大症の改善のために使われている薬ですが、それを薄毛患者も使っているのが現状です。
そしてザガーロもアボルブも成分的にはほとんど一緒ですが、AGA治療薬として承認されているのはザガーロの方です。
ザガーロなら0.1mgもありますので、そちらから試してみてはいかがでしょうか。
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