多血小板血漿(PRP)療法という治療がある。自分の血液を分離し、血小板を取り出す。
それを、整形外科のケガの部分や美容・アンチエイジングのために顔やしわに注入する。頭皮に注入して発毛を促すことにも利用される再生医療である。
最近では歯科の治療でも行われている。
とくに美容・アンチエイジングでPRPを選んでいる人は効果がなかったという人が多い。
それはなぜだろうか?
多血小板血漿(PRP)療法で効果がでない理由
1、PRPを作れないクリニックを選んだ。
2、自分の症状に最適な治療法ではなかった。
多血小板の作り方
鍋をしたときのアクを思い出してほしい。
表面にキレイにアクの層が出来て、アクだけをキレイに取り出す。
多血小板を作るのは、そんなイメージだ。
しかし、アクが散らばっていたり、アク以外の汁や具をすくっているような看護師をみかける。
それでは多血小板ならぬ、少血小板だ。
美容だと大抵のところが、看護師任せで、PRPの製法についてこだわる医師は少ない。
しかも血小板はアクのように表面でなく、鍋の底にあるような感じで存在する。
血液の上澄みなど取り出したら、多血小板ならぬ、無血小板だ。
症状に合わて期間と回数が決まる
整形外科の場合、2ヶ月で4回程度、ケガの治療で行うことがある。
なのに、美容治療では1回でそこそこ変わると勘違いされている。
(クリニック側が勘違いさせている)
この治療は、腫れが強い。
そのため、目の下の凹みやクマが、腫れのためちょうどよくキレイになることがある。
腫れが引いたら、元に戻る。
血小板で刺激され自分のコラーゲンなどがでて、半年後にすごくキレイになる、半年間効果が続く、などと営業診療される。
1回で、効果を求めるなら違う選択肢があるわけだがPRPの方が単価が高いし技術力がいらないので、安くて技術力の必要な治療を進めるクリニックは少ない。
ここまででも、効果がないのは十分理解できるだろう。
治療法を素人考えで決めてしまう人たち
さらに問題なのは、「今日はPRPを受けにきました」などと発言する人々だ。
「私のこの症状にPRPは合いますか?」ならまだマシ。
「PRPも含めて、どのような選択肢が考えられますか?」などと聞く人は、ほとんどいない。
誤解を与えてはいけないので言いますが、PRPはとてもいい治療。
症状や部位によってはPRPが選択肢になる。
しかし、「○○の治療お願いします。」と言う人は、自分の症状の合っていない、ちぐはぐな治療になってしまう。
美容クリニックというのは、そういう人たちが顧客で、患者のやりたい治療をする。
患者の症状を治療するのではなく、やりたいことをやってあげるサービス業になってしまっている。
治療法を自分で決めて、来院するのだから仕方がない。
PRPだけでなく、美容医療で効果がなかった。
結果が出なかったという人は、自分で治療法を決めている人が多い。
流行りの治療。有名人がやっているからといって、飛びつく。
あなたの症状と他の人は同じなのか?
あなたが結果を求めるのなら、悩み、症状、予算、いつまでにどうしたいかを伝えてどのような治療方法があるのかを説明してもらおう。